どうして猿の尾は短い?
何千年も前、日本の猿の尾は、とても長かったです。
でも、今は、とても短いです。
それは、どうしてでしょう?
ある日、猿は熊のうちへ行きました。
そして、聞きました。
「熊さん、熊さんは、いつも魚をたくさんとりますね。いいですね。私も魚をたくさんとりたいです。どうやってとりますか?」
熊は、猿に言いました。
「とても簡単です。寒い日の夜、岩の上に座ります。それから、尾を水の中に入れます。」
「それだけですか?簡単ですね。熊さん、いい話をありがとう。」
その日の夜、猿は、川へ行きました。
とても寒い夜でした。
猿は、尾を水の中に入れました。
……一時間。
――寒いなあ。尾が冷たいなあ。
でも、まだ、まだ!――
尾は、少し重いです。
……二時間。
――寒いなあ。尾も体も冷たいなあ。でも、まだ、まだ!――
尾は、前よりもっと重いです。
……三時間。
――おー、寒い。尾も体も顔も冷たい。
もうだめだ!――
尾は、とても重いです。
――もう、尾を水から出しましょう――
猿は、尾を水の中から出したいです。
でも、出ません。
「うーん、うーん」
――たくさんの魚がいますから、重いです――
もっと、力を出します。
「うーん、うーん。えいっ!」
プッツーン。
猿の長い尾が切れました。
それから、日本の猿の尾は短いです。
本文摘自『日本語聽讀文庫Level.4』6-10 小田正子 大新書局出版 2009.5
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